経団連は3日、2025年度の税制改正に関する提言を発表した。15年度以降に法人実効税率が段階的に引き下げられ「国内投資の拡大や賃上げへの取り組みが着実に進展した」と強調した。税率の引き上げに慎重な姿勢を打ち出した。
石破茂首相は自民党総裁選を通じて「負担する能力のある法人にはもう少し負担をお願いしたい」と言及し、一部の企業への法人増税に意欲を示していた。
経団連の小畑良晴・経済基盤本部長は「今でも日本の税率はむしろ高い部類で、そういう観点からは今すぐに引き上げるという話ではないだろう」と説明した。
提言で「法人税率の引き下げが企業活動の活性化を後押しした可能性は否定できない」と記した。引き続き設備投資や賃上げの動きを見極めたうえで、効果を評価すべきだと提起した。
与党内にある法人税率の引き下げ分が賃上げや投資よりも企業の内部留保や現預金にまわったとの見方を意識した形だ。
経団連は提言で、社会保障の財源について年齢にかかわらず負担能力に応じた負担の徹底を要求した。将来的な消費税率の引き上げに関しては「有力な選択肢の一つ」との見解を改めて示した。
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