静岡県の川勝平太知事(75)は8日、新規採用職員への訓示で職業差別と捉えられかねない発言をした問題で、辞職願を10日にも提出する方針を固めた。関係者が明らかにした。県選挙管理委員会によると、公選法の規定により、知事選は5月9日告示、26日投開票で行われる可能性がある。

川勝知事は当初、6月議会での辞職を想定。しかし、県議会の自民、公明両党の会派は「県政の停滞を招いてはいけない」として、早期の辞職を要求。知事は「県議会の日程調整に全面的に従う」との考えを示していた。8日になって、知事から議会に対し、辞職願を10日に提出するとの連絡が入ったという。

川勝氏の辞職に伴う知事選は、候補者の立候補表明や政党による擁立の動きが、さらに活発化する見通しだ。静岡県出身で同県副知事の経験がある元総務官僚の大村慎一氏(60)は8日、出馬の意向を表明。記者団に「今の県政は対立と分断がある。私の愛するふるさとをもう一度豊かに、未来のある県にしていきたい」と話し、県政の課題として「リニアの問題、防災対策、県経済ももっと元気になっていいのではないか」と述べた。

他に立憲民主党の渡辺周衆院議員(62)らの名前も取り沙汰されている。

報道陣の取材に応じる大村慎一氏=8日午前、静岡県庁

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