協議に臨む自民、公明両党と国民民主党の税調会長ら(20日、国会内)

自民党と公明党、国民民主党の税制調査会長らは20日、国会内で2025年度の税制改正を巡り協議した。国民民主は「年収103万円の壁」やガソリン減税を最重点に位置づけ、消費税の時限的な5%への引き下げなど6項目の協議を要望した。そのほか17項目もあわせて記した要望書を自公に提示した。

与党は要望への対応を検討し、3党で来週にも再協議する。年末までにまとめる税制改正大綱に向けて協議を続ける。

自民党の宮沢洋一税調会長は会合後、記者団に「我々としても103万円の壁をどうするかというある程度の方向性を、議論をしていかなければいけない」と与党内での議論が必要との認識を示した。

国民民主の古川元久税調会長は「税収が減ることばかりではなく、消費が活性化することも議論してほしい」と語った。

要望書には「最重点」に①所得税の基礎控除などを103万円から178万円に引き上げ②エネルギー高騰対策としてトリガー条項発動や暫定税率の廃止などのガソリン減税――を記した。

重点事項は4項目を掲げた。①年少扶養控除の復活や扶養控除の維持拡大②消費税の5%への時限的引き下げやインボイス制度の廃止③中小企業への価格転嫁に応じた企業や赤字でも賃上げした企業の固定資産税などの減税措置④人工知能(AI)や半導体など成長分野の償却税制――を盛り込んだ。

そのほかの17項目には、所得税の塾代等控除の創設や若者の所得税・住民税を減免する「若者減税」、自動車関係諸税の見直しを求めた。富裕層への課税強化、少額投資非課税制度(NISA)の拡充などを挙げた。

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