◆いずれも看板政策は減税
「腐敗した政治から国を救う」。九死に一生を得た銃撃事件から約3カ月後の10月初旬。米東部ペンシルベニア州の現場に舞い戻ったトランプ氏が「官僚や利益団体に屈しないワシントンのリーダーが必要だ」と呼びかけると、数万人の支持者が総立ちになった。
共和党大統領候補の指名受諾演説に臨むトランプ氏＝2024年7月18日、米ウィスコンシン州ミルウォーキーで、鈴木龍司撮影
その光景を見て浮かんだのは、1月まで取材を担当した河村氏の演説。「市民は苦しいのに議員は世襲のボンボンばっか。皆さん、なめられとるんだぞ」「役人は動かん」…。庶民革命を訴える河村節に、商店街で足を止めた聴衆が沸く。 血税が市民のために使われていない―。インフレが生活に打撃を与える中、「庶民の味方」を自任する両者は減税を看板政策に掲げる。河村氏の後を受けた広沢氏も「市民並み給与」の継続で身を切る姿勢を示し、「市民税減税か増税かの選択」と有権者に迫った。トランプ氏は「史上最大の減税」で支持を広げた。◆問題となる言動も目立つが…有権者は許容
強烈な個性で抜群の知名度を誇る両者は、漫談のようなスピーチが持ち味。トランプ氏は陣営が用意した原稿から脱線して1時間以上も演説し、河村氏は会見で「役人の原稿もあるが」と断って持論を展開する。残り 709/1414 文字
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