石破茂首相は29日、所信表明演説で年内の政治資金規正法再改正に意欲を表明した。最大の争点になるのが企業・団体献金の扱いで、自民が容認の立場を取る一方、立憲民主党などは禁止を要求し、双方の溝は深い。首相は「国民の政治に対する信頼を取り戻すため」として党派を超えた議論を呼びかけたものの、臨時国会中の法改正には難交渉が必至の情勢だ。  立民、日本維新の会、共産党は企業・団体献金の禁止で足並みをそろえる。自民は、会社による政治献金を認めた1970年の最高裁判決を根拠に禁止には反対の立場を取っており、首相も演説で触れなかった。野党に歩み寄るため、献金の上限額引き下げ案が党内で浮上するが、立民側は「実効性はない」として批判的だ。  第三者機関設置の必要性には多くの党が理解を示す。とはいえ自民や国民民主党は国会での設置を基本とし、公明党は強い調査権限を持つ行政機関を想定する。制度設計に時間がかかるのは避けられず、年内に妥結できるのかは不透明だ。

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