石破茂首相(自民党総裁)は3日の参院本会議で、所得税の納付が必要になる「年収103万円の壁」に関し、引き上げ幅や根拠となる指標について明確な言及を避けた。
「消費者物価指数の食料品、基礎的支出項目総合についてはこれらをどのような考えに基づいて参照し、どのように税制に反映させるのかによって、引き上げ幅なども異なる」と指摘するにとどめた。
国民民主党は最低賃金が1995年から1.73倍になったことを根拠に現状の103万円から178万円に引き上げるよう求めている。最低賃金ではなく雇用者報酬や物価の上げ幅に着目した113万〜134万円といった水準も浮上している。
首相は自民、公明、国民民主の「3党において協議が行われている最中なので政府からお答えすることは差し控える」と語った。
首相は防衛増税の財源についても発言を控えた。財源確保にあたり「行財政改革の努力を最大限に行った上でそれでも最大約4分の1について今を生きる我々の将来世代への責任として、税制措置でのご協力をお願いしていると認識をしている」と強調した。
防衛増税を巡っては政府・与党は増税の開始時期を先送りしてきた。首相は2025年度の税制改正大綱で時期を決定させる考えを示している。一方、国民民主の玉木雄一郎代表は「必要はない」との認識を示している。
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