兵庫県議会の12月定例会は13日、11月の知事選を念頭に、誹謗(ひぼう)中傷や真偽不明の情報がSNSで拡散されたとして、選挙の公平・公正の確保や必要な法整備を国に求める意見書を全会一致で可決し、閉会した。

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 近年の選挙で「公職選挙法が想定していない状況」が見受けられるとして、「選挙の公平・公正を損なうような行為が横行することは、民主主義の健全性を損なうおそれがある」と指摘。選挙活動を称した不当な行為から国民の権利と安全を守るよう要望している。

 意見書では、近年の選挙が「選挙運動ポスターや政見放送の本来の目的を逸脱した利用」や「街頭演説の場における暴力的な行為」といった「公職選挙法が想定していない状況が見受けられる」と指摘した。

 SNSの情報発信が若者の政治参加を促したと評価しつつも、誹謗中傷や真偽不明な情報にどう向き合うべきかは、正しく国民が判断できるように国として取り組むべきだと主張。言論や表現の自由に十分配慮した上での法整備や、違法な選挙運動を確実に取り締まることを国に求めた。

 知事選をめぐっては、斎藤元彦知事の内部告発問題を調査している県議会の調査特別委員会(百条委員会)のメンバーへのSNSでの中傷が相次ぎ、当選を目的とせず他の候補者を応援する候補者もいた。

 こうした状況については、村上誠一郎総務相は12月3日、参議院の代表質問の答弁で、他候補の当選を目的とした選挙運動やSNSでの虚偽情報の投稿は公職選挙法違反になり得るとの見解を示している。

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