自民党安倍派の裏金事件をめぐり、岸田文雄首相は10日、同派元会長の森喜朗元首相が、同日発売の月刊誌「文芸春秋」のインタビュー記事で語った内容について、首相官邸で記者団の取材に応じた。
森氏はインタビュー記事で、首相からの電話聴取の内容を問われた。首相から「ご体調はいかがですか」「強いてお目にかかることはありません」などと伝えられたが、裏金作りに関する具体的な質問はなかったと明かした。
首相はこれまで「事情を聴いた」と説明しており、この日記者団から森氏の発言との食い違いについて問われた。首相は聴取について「森元総理の具体的な関与は確認できていないと申し上げてきた。この発言は全く変わることはない」と語ったが、森氏への具体的な質問内容には言及しなかった。
首相はまた、聴取した経緯について「森元総理の関与の有無については、国会でも様々な疑念が呈された。私から森元総理に対しても、一連の事案と、森元総理の関係について、国民の皆様の関心も踏まえて聴取を行った」と記者団に改めて述べた。
森氏はインタビュー記事で、安倍派の組織的な裏金作りについては「いつ誰が始めたのか、わからない」「報道で明るみに出て初めて(知った)」などと関与を否定。森氏が派閥会長を務めていた時代に裏金作りが始まったとの指摘があることに対しては、「私を陥れるためのつくり話」と反論した。
朝日新聞は9日、森氏側に取材を申し込んだ。森氏側は「すでにマスコミなどを通じて説明している」などとして応じなかった。(森岡航平)
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