共同通信社が11〜13日に実施した全国電話世論調査で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正の与党案を「評価しない」との回答は79.7%に上った。政党から党幹部らに支出される政策活動費の扱いは「使途を細かく公開」52.0%、「廃止」26.8%と続いた。岸田文雄首相が明言している物価上昇を上回る所得の年内実現について「実現しないと思う」が90.5%を占めた。内閣支持率は24.2%で4月の前回調査比0.4ポイント上昇の横ばいだった。

自民、公明両党はパーティー券購入者名の公開基準額引き下げ、政策活動費の使途報告の詳細を詰めないまま与党案に大筋合意した。世論調査では、こうした点が厳しく評価されたとみられる。与党案を「評価する」は14.0%にとどまった。

政策活動費への回答は他に「使途を大まかに公開」が16.5%だった。自民は政党が支出項目を公表する案を唱え、明細書作成を義務付ける公明案と折り合っていない。

調査で政治資金パーティーの規制強化策を尋ねたところ「収支報告書への不記載・虚偽記入の厳罰化」42.7%が最多。「開催禁止」24.7%、「企業や団体による券購入禁止」15.9%、「券購入者の公開基準引き下げ」8.9%と続いた。

国会議員が連帯責任を負う「連座制」を巡っては「導入するべきだ」78.6%、「必要はない」19.0%だった。

少子化対策の費用を公的医療保険の保険料に上乗せして集める方針について「実質負担は生じない」とする政府説明に「納得できない」が82.5%に上った。「納得できる」は13.9%だった。

次期衆院選で候補者一本化など野党の選挙協力の在り方に関し「進めるべきだ」が52.0%で、「進めるべきではない」36.6%を上回った。

政党支持率は自民党24.7%、立憲民主党12.7%、日本維新の会7.4%、公明党3.4%、共産党4.9%、国民民主党4.5%、教育無償化を実現する会0.4%、れいわ新選組3.0%、社民党0.7%、参政党0.7%、みんなでつくる党0.4%。「支持する政党はない」とした無党派層は32.3%。〔共同〕

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