大阪府議会(定数79、欠員1)は20日、第1会派の大阪維新の会(52人)から新議長、第3会派の自民党(7人)から新副議長をそれぞれ選んだ。慣例となっていた第2会派(公明党、14人)からの副議長は選出されなかった。

 同日の府議会臨時会で、新議長に維新の中谷恭典氏、新副議長に自民の中井源樹氏が選ばれた。

 新副議長を巡っては、公明が候補の擁立を検討していた。だが、過半数の議席を持つ維新内では、2025年大阪・関西万博への追及姿勢を強めている公明からの選出を疑問視する声が出ており、維新側から公明側にこうした考えが伝えられていた。

 維新府議団の河崎大樹幹事長は同日、記者団に「今まで通り公明さんに副議長の職をお任せして本当にいいんですかという声はあったのは事実だ」と説明。「国政選挙が迫っているかもという状況の中で、万博を政局にするのは違うのではないかとずっと言ってきた」と語った。

 一方、公明府議団の肥後洋一朗幹事長は擁立の見送りについて「維新から言われたことが影響したわけではない。ポストには固執していない」と強調しつつ、「『副議長をするなら追及をやめてください』という趣旨だと感じた」と記者団に語った。

 維新、公明両党をめぐっては、維新が次期衆院選で公明現職のいる府内4小選挙区に対抗馬を立てる方針を表明したことをきっかけに関係が悪化している。(野平悠一)

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