技能実習に代わる外国人材受け入れ制度「育成就労」の創設を柱とする入管難民法などの改正案が21日の衆院本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。参院での審議を経て今国会で成立する見通し。政府は2027年に新たな制度をスタートさせる方針だ。
新制度は、深刻な労働力不足を踏まえた「人材確保」に主眼を置く。未熟練の外国人労働者を3年間で育成し、最長5年働ける「特定技能1号」の水準に引き上げることが目標。さらに熟練労働者向けの「特定技能2号」の資格を取得すれば、事実上無期限の滞在や家族の帯同が可能となる。
現行制度は技能実習生が職場を変える「転籍」を原則として認めておらず、ハラスメントなど人権侵害の温床と批判されてきた。新制度は技能検定や日本語能力試験の合格などを条件に、1~2年の就労後、同じ職種に限って転籍を容認する。
外国人の受け入れ仲介や企業などの監督を担う「監理団体」は「監理支援機関」に名称変更。外部監査人の設置義務付けなどにより独立性・中立性を高めるとした。
新制度の導入により、日本で長期滞在する外国人の増加が見込まれる。これを踏まえ、改正案には永住許可制度の見直しも盛り込まれた。永住者が税や社会保険料の納付を故意に怠った場合に資格を取り消せるようにする内容。野党などから「永住者の地位が不安定になる」との懸念が出ている。
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