技能実習に代わる「育成就労」を新設する技能実習法と出入国管理法などの改正案は、24日参院本会議で審議入りした。法案が成立すれば2027年までに施行する。
永住者が税などの納付を故意に怠った場合に永住許可を取り消せる新たな措置が論点となる。岸田文雄首相は同日の本会議で「適正に公的義務を履行する大多数の永住者や地域住民との間で不公平感を助長する恐れがある」と説明した。
永住許可の取り消し措置を巡り、衆院では「(永住者の)置かれている状況に十分配慮する」と付則に盛り込むことで自民、公明、立憲民主、日本維新の会の各党が合意した。本会議での採決で立民は「多文化共生社会実現の意思が見えない」と反対に回った。
現行制度で認められていない、本人の意向による転職を1〜2年の就労後にできるようにする。日本語や技能などの条件を満たすことなども条件となる。これまでは劣悪な労働環境などに耐えられず失踪する事例も相次いだ。
衆院の審議では地方から都市部に人材が流出するとの懸念も出た。与野党の修正協議の結果、大都市圏に過度に就労が集中しないように「必要な措置を講ずる」と付則に記した。
転職するケースが増えることを見越し、仲介業への監督も強める。転職のあっせんに関われるのはハローワークや監理支援機関などに限定し、民間の仲介業者は認めない。不法就労などをさせた場合の法定刑も引き上げる。
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