出入国管理法などの改正案は、技能実習制度を廃止して、新たに育成就労制度を設け、外国人労働者を原則3年で専門の技能があると認められる「特定技能」の水準にまで育成するとしています。
受け入れる分野は働き手が不足している介護や建設、農業などが想定されていて、これまで原則できなかった別の企業などに移る転籍を一定の要件のもと同じ分野に限り認めます。
また、故意に納税などを怠った場合は、永住許可を取り消すことができるとする一方、取り消す際には生活状況などに十分配慮することなどが付則に加えられました。
参議院本会議では趣旨説明のあと質疑が行われ、立憲民主党の石橋通宏氏は「技能実習制度のもとでは多くの実習生が人権侵害などの被害にあってきた。政府案は名称が育成就労制度にかわるだけで基本構造は全くかわらず、単なる看板の掛け替えではないか」とただしました。
これに対し岸田総理大臣は「育成就労制度はこれまでの課題を踏まえて、人材育成と人材確保を目的とする新たな制度として全体を適正化するための方策をしっかりと講じることにしており、看板の掛け替えとの指摘はあたらない。外国人から選ばれる国になるため環境整備に取り組んでいく」と述べ、今の国会での成立に向け理解を求めました。
改正案は、来週から参議院法務委員会で審議が行われます。
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