月面でメインエンジンが上を向いた状態の探査機「SLIM(スリム)」(右上)=1月(画面の中央にデータの欠損があります)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、1月に月面着陸した探査機「SLIM(スリム)」との通信再開を24、25日に試みたが、電波を確認できなかったと明らかにした。着陸地点が昼になって太陽光発電はできる状況とみられるが、原因は不明。引き続き復旧を試みる。

 スリムは狙った場所にピンポイント着陸する技術実証を目的に開発され、着陸後に稼働できるのは数日と見込んでいた。氷点下170度にもなる過酷な夜を耐え抜くことは想定していなかった。だが予定した活動を終えた後も休眠と復旧を繰り返し、3回の「越夜」に成功。貴重なデータを地上に送り続けてきた。

 JAXAは「大半の機器が設計想定外の過酷な状況で使用されていたので、いよいよ影響が出た可能性もある」としている。今月中旬に発生した太陽表面の大規模な爆発現象「太陽フレア」との関係も不明だという。

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