年度内の改定に向け議論が始まった国の「エネルギー基本計画」について、日本原燃の増田尚宏社長は29日に青森市で行った記者会見で、「『原発依存度を可能な限り低減する』との表現は取り去ってもらえるとありがたい」と求めた。増田氏は2011年の東京電力福島第一原発事故時、同第二原発(福島県富岡町、楢葉町)の所長として事故に対処した。
基本計画は国のエネルギー政策の方向性を示すもので、3年ごとに改定を検討する。事故後初めて改定した14年に「原発依存度を可能な限り低減する」と明記。「エネルギー政策を再構築するための出発点」と定め、この方針はその後も維持されてきた。
増田氏は「原発事故で今なお避難されている方がいることを大変申し訳なく思う」とした一方、「脱炭素の観点や、日本が豊かな暮らしをするには原子力はなくてはならない」と述べた。(野田佑介)
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