若松工場では風力発電の風車の土台となるジャケットを製造している(北九州市)

日本製鉄グループの日鉄エンジニアリング(東京・品川)は北九州市で洋上風力発電の基礎構造物などを製造する完全子会社、日鉄鋼構造を4月1日付で本体に統合した。日鉄エンジが日鉄鋼構造の若松工場(北九州市)を直接管轄して、洋上風力関連の構造物の生産設備を増強するとともに、二酸化炭素(CO2)排出の実質ゼロを目指す。

若松工場は風車の土台となる「ジャケット」を製造する国内唯一の拠点。現在は北九州響灘洋上ウインドファームの25基を製造している。23年には北海道・石狩湾新港洋上風力発電所に14基を出荷した。日鉄エンジの石倭行人社長は若松工場の生産能力を年2万トンに倍増する計画について「25年度に着手できるよう詳細を詰める」と語った。

若松工場には工場の屋根などに太陽光発電設備を導入する。蓄電設備を併設し、エネルギー・マネジメント・システムで工場内の電力需給を制御する。年間の発電量は140万キロワット時で、同工場でジャケットなど再生可能エネルギー関連設備の製造に使う電力量の100%を賄う。CO2の削減量は年600トンになる。24年秋から順次導入する。

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