三菱重工業は29日、水素だけを燃やす「水素専焼」として国内最高水準の出力となる6気筒500キロワット級エンジン発電設備を開発し、実証運転を始めると発表した。従来の単気筒の60キロワット級から多気筒、高出力化した。エンジン発電は自家発電用に病院やビル、商業施設などで使われる。実証を通じ安全性などを確認し2026年度以降の製品化を目指す。
完全子会社の三菱重工エンジン&ターボチャージャ(相模原市)が5月から同社の相模原工場(同市)で試験運転を始めた。500キロワット級は同社で中〜大型に位置づけられる。都市ガスを使った確認運転から始め、24年度中に水素専焼で100%の負荷をかけた実証運転を目指す。
燃やしても二酸化炭素(CO2)が出ない水素は脱炭素化に貢献する燃料として注目される。一方、都市ガスより分子が小さく漏れやすいことや着火しやすく燃える範囲も広いことからノッキング(異常燃焼)などを起こさないようにする必要がある。試験機は吸排気管や発電制御盤、水素供給設備を含む発電セット全体の安全性を評価する。
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