米グーグルがネットサービス大手の旧ヤフー(現LINEヤフー)との間で同社の検索連動型広告事業を制限する内容の契約を結んでいたことが、独占禁止法違反(私的独占など)に当たる疑いがあるとして公正取引委員会が水面下で調査していた問題で、グーグル広報部は16日、朝日新聞の取材に「本件に関して公正取引委員会の調査に全面的に協力して参りました」と調査を受けてきたことを認めた。

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 グーグルは今月、自主的に改善し再発防止策を講じる計画を公取委に提出したという。公取委が計画に実効性があると認定すれば、グーグルに履行義務が生じ、公取委によるグーグルへの初の行政処分となる。同広報部は「現在公正取引委員会からの認定を待っている」としている。

 国内の検索連動型広告の市場規模は1兆円超。グーグルがシェアの7~8割を占め、ヤフーは追う立場にある。

 グーグルは「今後も価値のある検索サービスを日本のユーザーや広告主の皆様に提供していけるよう、引き続き尽力して参ります」とコメントした。

 今回公取委とグーグルの間で用いられている「確約手続き」は、独禁法違反の疑いで公取委から調査を受けている事業者が、違反の疑いがある行為の取りやめや再発防止などの自主改善策を盛り込んだ「確約計画」を公取委に提出できる制度。公取委が実効性があると判断して計画を認めれば、計画の履行を条件に調査が終わる。(増山祐史)

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