米ニューヨーク州議会は7日、若者をソーシャルメディア依存から守るための法案を可決した。保護者の同意なく、運営企業がアルゴリズム(計算手順)を利用して、中毒性がある内容の投稿や動画などを自動的に表示することを制限する。近日中にホークル州知事が署名する見通しで、安全対策として期待される。

 法案では、18歳未満に自動的に投稿や動画などを表示する場合、運営企業に保護者の同意を得ることが義務づけられた。また、午前0時から午前6時までの間、中毒性のある内容のコンテンツ通知を配信することも禁じた。違反した場合、1回につき最大で5千ドル(約79万円)の罰金が科せられるなどとしている。

 もう一つ可決された法案では、18歳未満の個人情報を同意なく収集、使用、共有、販売することなどを原則として禁じた。違反には最大5千ドルの罰金の可能性がある。

 法案の可決を受けてホークル州知事は声明を発表。「若者のメンタルヘルスの危機に対処し、より安全なデジタル環境をつくる取り組みにおいて、歴史的な一歩を踏み出した」と歓迎した。

 米国では、ソーシャルメディアによる児童や若者に及ぼす負の影響が問題視され、社会問題になっている。ニューヨーク市は今年1月、ソーシャルメディアを有害な「公衆衛生上の危険」として指定する勧告を出していた。(ニューヨーク=遠田寛生)

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