全国的にキャベツの値が高騰しているなか、和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」は、安定した価格で調達している。2022年から毎年冬と春に飼料用として購入している先は、地元農家だ。

 アドベンチャーワールドは、JA紀南すさみ支所(すさみ町)の協力で、発育不足や割れなど市場に出回らない規格外を含むキャベツを、地元農家から冬と春に1カ月程度購入している。

 市場に出回るキャベツの外葉は5枚ほど廃棄されるが、飼料の場合は2枚ほどでよく、廃棄量の削減にもつながるという。

 すさみ支所の担当者によると今季は2、3月に低温が続き、発育が遅れたことなどが原因で、市場価格は通常の2~3倍に高騰しているという。

 しかし、規格外のキャベツを含め年間の価格を決めて飼料用に提供してもらうことで、市場価格の変動に左右されず、園と農家の双方にメリットがあるという。

 5月24日は、品質には問題ないが、色が悪い「B級品」を含む約200キロの春キャベツが納品され、さっそくカピバラやチンパンジーに与えられた。飼育スタッフの中東有沙さんは「新鮮で普段よりおいしそうに食べてくれた」と話していた。

 6月中旬まで飼料用として納品される春キャベツは、計約950キロにのぼる見込みだ。(勝部真一)

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