KADOKAWAは自社施設で株主総会を開いた(18日、埼玉県所沢市)

KADOKAWAは18日、埼玉県所沢市で定時株主総会を開いた。資本準備金の減額、夏野剛社長ら取締役14人を選任する2議案が可決された。午後2時にスタートした総会は約1時間で終了した。

出席した株主によると、株主総会の冒頭、大規模なサイバー攻撃でグループのサービスが停止していることについて、夏野社長が陳謝した。株主からはサイバー攻撃に関する複数の質問が出た。

KADOKAWAはランサムウエア(身代金要求型ウイルス)を含む大規模なサイバー攻撃を受けた。子会社のドワンゴが手掛ける動画共有サービス「ニコニコ動画」は8日からサービスを停止しており、復旧に1カ月以上かかる見込みだ。

ニコニコ動画などを含む動画配信サービス「ニコニコ」の月額有料会員数は24年3月期末時点で117万人いる。ニコニコ動画の15年来のファンだという男性株主は「毎日2時間見ていたのに見られなくなった」と不満そうだった。

国内外でヒットしたゲーム「エルデンリング」などのファンという男性株主は「サイバー攻撃の被害が心配だが、業績的にはIP(知的財産)は強いので大丈夫だろう」と話した。

14日にはKADOKAWAの売上高の半分以上を占める出版事業でもサイバー攻撃の影響が明らかになった。システム停止により書籍の出荷数量が減り、新刊の刊行や重版の制作が遅れる可能性がある。株価は18日終値で2857円と、サイバー攻撃発覚前の7日から508円(15%)下落している。

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