東京電力ホールディングスの送配電子会社「東電パワーグリッド」の顧客情報を、別のグループ会社の社員が不正に閲覧していた問題で、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会(電取委)が20日、業務改善勧告を出した。電力会社間の競争関係を確保するため、送配電会社はグループ内でも情報管理が求められている。管理を徹底するよう内部体制の強化を求めた。
電取委によると、東電グループの再生可能エネルギー関連会社が、水力発電の用地に関する業務で地権者の連絡先の確認に使うなどしていた。送配電会社が登録した契約名義や住所といった情報を、別の会社が閲覧できる状態になっており、2020年4月以降、再エネ会社と親会社の社員による計179件のアクセスが確認された。小売会社からも一部閲覧できる状態にあったが、営業目的の利用は確認されなかったという。
電取委は送配電会社に対し、システムの共用状態を解消する計画を立てることなどを勧告。再エネ会社にも、内部統制の強化策の検討などを指導した。(三浦惇平、森下友貴)
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