知床世界自然遺産の知床岬で進む携帯電話基地局の整備計画について、北海道斜里町議会は21日の定例会本会議で、計画の再考を求める意見書を賛成多数で採択した。近く国会や関係省庁に送付される。地元町議会が計画見直しを求めるのは初めてだ。

 意見書では、基地局の電源となる太陽光パネル群や蓄電設備などの設置予定地が、国立公園の特別保護地区で、世界自然遺産の核心地域にあると指摘。国の天然記念物のオジロワシや希少な植物、景観などへの悪影響が懸念され、他の国立公園や世界自然遺産に及ぼす影響を憂慮する、とした。

 その上で、知床世界自然遺産地域科学委員会など専門家の意見を十分に聞いて規模、手法、実施の可否などについて再検討するよう求めた。意見書は議長を除く12人中10人が賛成した。

 同町では山内浩彰町長が計画の再検討を国に要望。町議会では議員の1人が一般質問で「計画反対」を表明していた。(奈良山雅俊)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。