福岡市動物園(福岡市中央区)が7月にもミャンマーからゾウを受け入れることをめぐり、在日ミャンマー人の3人が25日、同園を訪れ、「ミャンマーで民主政権が樹立されるまでゾウの受け入れを延期するべきだ」と申し入れた。園側は、今回の受け入れはゾウの繁殖と生態研究を目的とした交流であると説明したという。
同園は福岡市が運営。2019年にミャンマーのヤンゴン動物園と動物交流に関する覚書を締結しており、今年7月にもアジアゾウ4頭をミャンマーから迎える予定だ。ゾウが順調に環境に慣れれば、10月に一般公開される。
同園を訪れたのは、いずれもミャンマー人で、福岡市に住む女性2人と東京在住のミンスイさん(63)。ミンスイさんらは「ゾウを贈ることは過去にも外交手段として用いられており、(国軍が)最大限政治利用しようとするはずだ」とし、民主政権が樹立されるまで受け入れを延期するのが良いと訴え、文書を園に手渡したという。また、ゾウを迎える場合はミャンマーの現状がわかる展示をするべきだと提案した。
福岡市動物園によると、園側の担当者は「子どもをはじめ、多くの方からゾウを早く見たいと言われているので、責任者として(ゾウの繁殖と生態研究を目的とした)学術交流を進める必要がある」と理解を求めたという。
ミャンマーでは2021年、国軍が民主的な選挙で選ばれた政権からクーデターで全権を奪った。(伊藤未来)
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