他国の脱炭素を技術支援し、二酸化炭素(CO2)などの排出削減量を両国で分け合う仕組みを巡り、2030年度までに累計1億トン削減を目指す日本政府の目標に対し、23年度末時点でめどが立ったのは約2800万トンだったことが27日、分かった。13年のスタート後、伸び悩んでおり、政府は技術支援に関する民間投資の呼び込みや、大型プロジェクトの開拓を加速させる。

 この仕組みは「2国間クレジット制度(JCM)」と呼ばれる。日本は東南アジアを中心とした29カ国と協定を結び、太陽光発電や省エネ設備の導入など250件以上のプロジェクトを採択。見通しの立った削減量のうち、約2千万トンを国の補助事業が占めている。

 政府は50年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げる。国内での取り組みだけでなく、相手国の削減量の一部を日本の削減分として計上できるJCMを活用したい考えだ。

 政府は今後、廃棄物処分場から回収したメタンガスによる発電や公共交通の省エネ化など、日本が得意とする分野への投資を積極的に呼びかける。

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