地球観測衛星「だいち4号」を載せ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられるH3ロケット3号機=1日午後0時6分

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、国産新型ロケット「H3」3号機を鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げた。地震や豪雨の被害把握などに使う地球観測衛星「だいち4号」を目標の軌道に届けることに成功し、今後の本格的な運用に弾みがついた。

 離陸の約5分後に第1段目を分離、約17分後にだいち4号を計画通り切り離した。実用の大型衛星の打ち上げ成功は、新型H3では3号機が初めてとなる。

 H3はJAXAと三菱重工業が開発した2段式の使い捨て液体燃料ロケットで、「H2A」の後継機。日本の宇宙輸送を担い、世界で需要が拡大する衛星打ち上げビジネスへの本格参入も視野に入れる。昨年3月、1号機は打ち上げに失敗し、搭載した衛星「だいち3号」も失われた。今年2月に成功した2号機には、当初予定した「だいち4号」ではなく模擬衛星などを載せていた。

 だいち4号は夜間や悪天候でも観測できるレーダーを搭載、災害による被災状況や地殻変動の把握に使う。火山活動、地盤沈下、地滑りなど、異変の早期発見が期待される。

H3ロケット3号機に搭載した地球観測衛星「だいち4号」が計画通りに分離し、喜ぶJAXAや三菱重工業の関係者ら=1日午後0時23分、鹿児島県の種子島宇宙センター

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