きょう午後0時6分すぎ 打ち上げ予定

種子島宇宙センターでは、30日午後8時半、「H3」の3号機が組み立て棟から姿を現し、およそ30分かけて発射地点に移されました。

打ち上げはきょう午後0時6分すぎの予定で、JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、打ち上げに向けた作業は順調に進んでいて、発射場周辺の天候も今のところ問題はないということです。

3号機には地球観測衛星「だいち4号」が搭載され、災害時の被害状況の把握や火山活動に伴う異変の迅速な発見などに役立てられる計画です。

JAXAと三菱重工業が開発を進めてきた日本の新たな主力ロケット「H3」は、去年、初号機が2段目のエンジンが着火せず打ち上げに失敗しましたが、対策を講じてことし2月に2号機が初めて打ち上げに成功しました。

H3ロケット 失敗からの再起 技術者たちの348日

現在運用中の大型ロケット「H2A」は今年度の50号機で運用を終え、来年度以降、「H3」に完全に移行する予定です。

「H3」は年間6機の打ち上げを目標に掲げていて、2号機に続いて打ち上げを成功させ、今後の安定した運用につなげられるか注目されます。

「だいち4号」災害時の運用に期待

「だいち4号」は、JAXA=宇宙航空研究開発機構と三菱電機がおよそ320億円をかけて開発した地球観測衛星です。

重さはおよそ3トン、太陽光パネルなどを展開すると高さ10メートル、横20メートルあります。

衛星から発した電波が地表に反射する際の強弱をもとに画像を作成できることから、夜間や悪天候でもおよそ3メートルの高い解像度で観測できるのが特徴です。

現在運用中の「だいち2号」に比べて、一度に観測できる地表の幅を最大で4倍の200キロ、観測頻度を5倍に増やし、災害時の被害状況の把握や火山活動に伴う異変の迅速な発見などに役立てられる計画です。

「だいち2号」はことし1月の能登半島地震でも地殻変動の分析に活用されましたが、観測エリアが限られていたため、全ての地域を一度に観測することはできませんでした。

「だいち4号」の運用によって、災害時のよりタイムリーで広範囲の被害状況の把握が期待されています。

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