脱炭素社会の実現やエネルギーの安定供給に向けて、政府は原発を最大限活用する方針ですが、研究用原子炉の廃止や原子力関係の学科に入学する学生の減少など、研究開発に必要な基盤の弱体化が課題になっています。
このため文部科学省は、原子力分野に関する研究開発力の維持や強化を図る必要があるとして、5日に開かれた有識者会議で、今後重点的に取り組む政策の案を示しました。
この中では、
▽福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」の敷地に建設される計画の新しい試験研究炉の整備に、概算で1500億円規模の費用を投じることや
▽プルトニウムを燃料に使う高速炉の国内唯一の実験施設「常陽」について、燃料の製造施設が原子力規制委員会の基準を満たせない可能性があることなどから、新たな施設の整備を検討することが盛り込まれています。
また、
▽日本原子力研究開発機構が保有する、利用を終えた研究施設の解体にかかる資金の確保策を検討するほか
▽不足が懸念される人材の確保に向けては、各大学が一般教養科目に原子力の講義を設けるなど、すそ野を広げる取り組みを進めるとしています。
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