シャープは9日、三重県内の液晶パネル工場に、半導体を最終製品に組み立てる後工程の生産ラインを構築すると発表した。後工程を手掛けるアオイ電子と組み、2026年中の本格稼働を目指す。工場の余剰設備を活用することで液晶パネル事業の業績回復につなげる。
シャープとシャープの子会社、アオイ電子が9日付で生産ライン構築に向けた基本合意書を交わした。半導体用のラインは4つの生産棟でつくる三重工場(三重県多気町)のうち、15年までスマートフォン向けなどの中小型パネルを生産し、10年近く稼働を停止している第1工場(延べ床面積=約6万平方メートル)に導入する。
24年内に着工し、ラインの立ち上げはアオイ電子が担う。工場の土地や建物をアオイ電子に売却するか、貸し出すかは今後協議する。生産能力は月産2万枚を見込む。
シャープの24年3月期の液晶パネル事業は832億円の営業赤字だった。液晶パネル事業のうち、テレビ向けの大型パネルを生産する堺工場(堺市)については9月に稼働を停止する計画だ。中小型パネルは余剰設備の活用による生産性の向上などにより、赤字の縮小を急ぐ。
アオイ電子は1969年の設立で、高松市に本社を構える。半導体関連事業や電子部品などを手掛け、24年3月期の連結売上高は339億円だった。
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