そごう・西武は19日、NFT(非代替性トークン)を使ったデジタルアート売買の実証実験を5月末にも始めると発表した。2023年4月に始める予定だったが、セブン&アイ・ホールディングス(HD)による売却の影響などで開始が遅れていた。若年層や富裕層の新たな顧客接点につなげる。
5月末にもサイトを開設する。まず作家5人の約100作品を取り扱い、出品数を増やしていく。そごう・西武が作品を審査して品質を担保する。サイトで購入したNFTアートに限り、消費者同士で交換できる。決済は暗号資産のみ。アート作品が転売された際にも作家に一定の収益が還元される仕組みを検討する。
そごう・西武は販売金額の一定割合を手数料収入として得る。約半年は実証期間とし、運用面の課題や顧客・出品者の反応などを確かめて本格運用をする。
百貨店の店舗でNFTアートのイベントを開き、デジタル資産になじみのなかった消費者も取り込む。西武渋谷店(東京・渋谷)では23〜29日、サイトへの出品を予定するNFTコレクション「MetaKozo(メタコゾー)」の作品の展示やグッズ販売を実施する。
セブン&アイは23年9月に米ファンドへそごう・西武を売却したが、雇用維持などを巡る労働組合との交渉が難航し、当初の予定から半年ほど遅れた。
NFTはブロックチェーン技術でデジタル資産の所有権を証明できる仕組みだ。NFTをひも付けた絵画「デジタルアート」は作者の情報や取引履歴などが記録される。一点物としての資産価値を保てることから高値で取引されることもある。若年層や富裕層を中心にコレクションや投資対象として購入が広がっている。
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