温室効果ガス排出削減の新たな目標を巡り、政府が35年度に13年度比「60~66%削減」を軸に検討を進める方向であることが14日、政府関係者への取材で分かった。産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える国際枠組み「パリ協定」の実現に向け、欧州はより高い目標を掲げており、日本もこの軸からどれだけ上積みできるかが焦点。今年も各地で猛暑、真夏日を記録する中、温暖化対策の強化は待ったなしの状況だ。
現在の目標は30年度に同46%減。環境省は今年4月、森林吸収などを差し引いた22年度の実質的な排出量は過去最少となり、13年度比22.9%の削減になったと発表。パリ協定のもと、政府が目指す50年の実質排出ゼロに向けて「順調に減少」と評価した。
このペースで削減していくと、35年度時点では約60%となり、新たな削減目標のベースになるとの見方が政府内で強い。
一方、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、協定の目標実現には19年比で60%削減が必要と指摘。日本が基準とする13年度比では66%となる。
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