一昔前にハーフパンツとポロシャツで通学していたら、生活指導の対象だったかもしれない。そんなハーフパンツとポロシャツを猛暑対策で「制服」とする学校が出てきている。

 「めっちゃ涼しい!」

 私立市川中学高校(千葉県)に通う、中学3年の男子生徒は喜ぶ。

 同校は昨年度から、ハーフパンツとポロシャツを制服として導入した。この男子生徒はJR市川大野駅から学校まで、約3キロの道のりを自転車で向かう。「シャツの時は汗だくだった。ハーフパンツだと、ズボンの端が車体にひっかからないのもいい」

 中学1年の女子生徒も「ポロシャツはボトムの外に出してもOKなので、だいぶ涼しい。小学校時代の友達にうらやましがられている」と歓迎する。

 生活指導部長の都筑靖教諭は「生徒は暑さをしのげ、教員の服装指導も楽になると考えた」と話す。

 保護者や生徒にアンケートを取り、ポロシャツの色は白と紺に。ポリエステル100%で速乾性に優れた素材を選んだ。ハーフパンツは夏のスラックスと同じ素材で短くした。

 都筑教諭は「ポロシャツの合わせが男女で違っているだけで、結果的に男女差のほぼない制服になった。多くの生徒にとって着やすい服となり、よかった」と言う。

 日本の夏は暑くなっている。気象庁によると、直近30年間の猛暑日の平均年間日数(約2・9日)は、統計当初の1910~39年の30年間(約0・8日)と比べ、約3・8倍となった。こうした暑さから、ハーフパンツとポロシャツを導入する学校は各地に広がる。

 カンコー学生服(岡山市)によると、暑さ対策や、様々なアイテムが選択できる制服を導入する学校が増えており、アイテムの一つとしてハーフパンツも導入されている。また、近年は、6割程度の学校にポロシャツを提案しているという。(山下知子)

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