白鳥渡来地として国の特別天然記念物に指定されている青森県平内町の浅所海岸に、くちばしが長いへらのような形をしたクロツラヘラサギ2羽が飛来している。この季節に見られるのは珍しく、生息地でないエリアに飛来した迷鳥らしい。

 環境省のレッドデータブックの絶滅危惧ⅠB類で、「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い」とされる。日本野鳥の会などによると、全長約75センチ、平らなくちばしや目より前の顔が黒いのが特徴。

 香港の民間団体が1月に行った調査「世界一斉センサス」で6988羽を確認、6年連続で個体数が増加しているという。夏は中国や朝鮮半島、ロシアで繁殖し、冬に九州や台湾などに飛来し越冬するという。

 14日午前7時前、浅瀬にまるっとした白い塊が二つ。頭を羽の中にうずめ、眠っているように見えた。数分間、望遠撮影することができた。

 日本野鳥の会県支部の関下斉支部長(63)に撮影した写真を確認してもらったところ、「間違いない」と断言。関下さんによると、平らなくちばしの先が一部白く、生まれて2~3年の若鳥らしい。目は赤い。繁殖に入るか入らないかの段階で、雄雌は不明だ。

 関下支部長は「警戒心の強い鳥。見かけても近づかないこと。他の水鳥につられてすぐに飛び立つので(鉄砲と勘違いされる)三脚を使った写真撮影もやめてほしい」と話している。(江湖良二)

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