ネジ商社のサンコーインダストリー(大阪市)は19日、大阪府東大阪市で自動配送ロボットでネジを運ぶ実験をした。重量100キログラムを搭載し、同社の物流センターと町工場の間の230メートルの公道を走行した。人手不足に対応するため、2025年度には遠隔監視システムを整備して実用化を目指す。
自動配送ロボットは23年4月施行の改正道路交通法で「遠隔操作型小型車」として認められた。ウーバーイーツジャパン(東京・港)が24年3月に東京・日本橋で食料品を配達するサービスを始めたが、今回の実験のようにB2B(法人向け)で、しかも重量物を扱うケースは珍しい。
サンコーによれば、物流センターの半径1キロ圏内に取引先のネジ卸やメーカーが20社はある。奥山淑英社長は「ネジの集荷、配送など(近距離の)多頻度小口でロボットを使いたい」と語った。運行ルート上に集荷のための停留所を設けることも有効とみている。
今回の実験には、サンコーの取引先で切削加工を手がける深輝精工(東大阪市)が参加した。油谷勝弘社長は「100キロのネジ納品のために2トントラックを使うこともある。人手不足で物流が負担になっており、ロボットが頻繁に取りに来てくれれば助かる」と語った。
自動配送ロボットは、実業家の堀江貴文氏が取締役として参画するHakobot(ハコボット、宮崎市)のものを活用する。四輪駆動・操舵(そうだ)で重量物を運べるのが強み。3次元地図をもとに高性能センサーのLiDAR(ライダー)で走行する。同社にはサンコーも出資している。
実用化には遠隔監視システムを整えるとともに、実験を重ねたうえで一般社団法人のロボットデリバリー協会(東京・千代田)から認証を受ける必要がある。ハコボットは25年度にも届け出による本格運行に移行したい考え。観光地などで顧客の荷物をまとめて運ぶことも可能とみている。
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