【デンバー(米コロラド州)=清水孝輔】米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が30日発表した2024年4〜6月期決算は、売上高が前年同期比9%増の58億3500万ドル(約8900億円)だった。人工知能(AI)向け半導体の収益が拡大し、純利益は2億6500万ドルと前年同期比で9.8倍に増えた。
事業別の売上高ではデータセンター向けが前年同期比2.2倍の28億ドルだった。生成AIのデータを処理するのに使う画像処理半導体(GPU)の需要拡大が業績をけん引した。パソコン向けは49%増の15億ドルだった。一方、ゲーム向けは59%減の6億4800万ドルにとどまった。
24年7〜9月期の売上高見通しは前年同期比16%増の67億ドル前後と市場予想を上回った。AI需要の拡大を示す業績の発表を受け、30日の米株式市場の時間外取引で株価は一時同日終値から約9%上昇した。
AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は同日開いた決算説明会で、24年12月期通期のデータセンター向けA半導体の売上高が45億ドルを上回るという見通しを示した。4月時点では40億ドルになると予想していた。
英調査会社オムディアによると、データセンター向けAI半導体の市場シェアはエヌビディアが9割を超えている。AMDはAI半導体「MI300X」などエヌビディアに対抗する製品を投入し、需要の一部を取り込みつつある。
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