川崎市や川崎鶴見臨港バス(川崎市)などはバス自動運転の実証実験を2025年1月から始める。26年度には特定の条件下で全ての操作をシステムに任せる「レベル4」の実験を始め、27年度の実用化をめざす。バス運転手不足という課題を解決し市民の交通手段を確保する。
実証実験には利用客定員15人の小さなバスを使う。まずは必要に応じて運転手がハンドルやブレーキを操作する「レベル2」で始める。川崎市内の京急大師橋駅と東京都の京急天空橋駅、川崎駅と市立川崎病院を結ぶ2ルートで実験する。一般の人が乗車する期間も設ける。
レベル2の実験期間中に駐車車両の追い越し、交差点内で取り残される可能性、雨の日の走行などのデータを集め、レベル4の実験や実用化に生かす。
川崎市民にとってバスは重要な交通手段だ。総務省の調査によると21年から23年にかけて川崎市の1世帯あたり年間平均バス代は5336円と、全国の県庁所在地と政令市、東京都区部のなかでは長崎市の7064円に次いで2番目に多い。隣接する横浜市の3460円を大きく上回る。市南部の臨海部、北部の丘陵地帯への交通手段としてバスを使う市民が多いとみられる。
市バスは運転手不足により6月から一部地域で減便した。市は運転手不足を解消するため24年度から採用選考で教養試験を廃止している。
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