厚生労働省は9日、給与を電子マネーで支払える資金移動事業者として、ソフトバンク子会社のQR決済大手「PayPay(ペイペイ)」を認可したと発表した。昨年4月に給与のデジタル払いが解禁されて以降、事業者の認可は初めて。

 企業がデジタル払いを利用する際には、労働組合などと労使協定を結ぶ必要がある。さらに従業員から同意書を取る必要がある。

 ペイペイを使う場合、企業は従来と同様に従業員の銀行口座宛てに給与を振り込めば、一部が自動的に従業員のペイペイアカウントにチャージされるという。企業側がシステム開発をしたり、新たにペイペイと契約したりする必要はない。一方、チャージ残高は20万円が上限で、従業員はこの範囲内でペイペイにチャージする金額を決められる。

年内にサービス開始予定

 ペイペイはまず、ソフトバンクグループ10社の9月分給与からサービスを始める。その後、年内にペイペイユーザー(6400万人超)向けのサービス提供を始めるとしている。

 給与のデジタル払いは昨年4月に解禁された。賃金は原則、現金で支払うと労働基準法で定められている。例外として銀行口座などへの振り込みが認められており、解禁によりキャッシュレス決済口座が加わった。

 認可についてはキャッシュレス決済口座などを運営する4社が申請しており、ペイペイ以外の3社についても、厚労省が審査を続けている。(宮川純一)

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