宮崎県沖の日向灘で8日に起きたマグニチュード(M)7.0の地震の影響について、気象庁は9日、日向灘以東の南海トラフ巨大地震の想定震源域で「通常と異なる地下の変化は観測されていない」として、巨大地震につながる兆候が強まるような状況ではないと説明した。
静岡県沖から九州沖に延びる南海トラフ沿いでは、過去に大地震が連続して発生し、津波などの大きな被害をもたらしてきた。政府は2017年、想定震源域でM6.8以上の地震が発生した場合に、巨大地震が起きる可能性がふだんより高まっているかを評価する「南海トラフ地震臨時情報」を導入。今回初めて、1週間の注意を呼びかける「巨大地震注意」の情報を出していた。
気象庁は9日、想定震源域の四国地方に設置した装置で地殻のひずみなどを計測したデータを公表。日向灘地震の揺れによる変化はあったが、その後は普段と異なる変化はみられなかったという。観測結果から、日向灘以東のプレート境界で巨大地震の発生につながる兆候は強まっていないと判断した。
こうした地下の観測データについて、地震発生から1週間となる15日まで毎日、臨時で情報を発表することを明らかにした。(竹野内崇宏、川原千夏子)
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