千葉県庁=町野幸撮影

 千葉県柏、鎌ケ谷市などの水路や井戸から、泡消火薬剤などに含まれ、有害性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS」の一種、「PFOS」「PFOA」が検出された問題で、県と柏市は9日、周辺の水路や川で6月に水質調査をした結果、最大で国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)の420倍を検出したと発表した。

 県などによると、海上自衛隊下総航空基地の東側を流れる人工河川「金山落(かなやまおとし)」の上流の1カ所から1リットル当たり2万1000~1万5000ナノグラムを検出。同基地の西側を流れる大津川は7カ所で調査したが、同指針値以下だった。

 また、周辺地域の50事業所を対象にした聞き取り調査は半数が完了したが、PFAS類を含む薬剤を保管している事業所は同基地も含めてなかった。県によると、同基地は以前、PFOSを含む泡消火薬剤を保有していたが、2021年3月までに処分済みという。

 同指針値以上の水路は、鎌ケ谷市の調査で井戸水から同指針値の700倍を検出した地区に近いことから、県の担当者は「井戸水を使った生活排水が流れ込んだ可能性もある。範囲を広げて地下水の汚染状況を調査したい」とした。【柴田智弘】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。