日本原子力研究開発機構は20日、東京電力福島第一原発事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の分析を行う茨城県内の施設を報道陣に公開した。デブリの試験的取り出しが22日から始まる。デブリの構造などを分析し、今後の本格的な取り出しに向けた検討に反映するという。

 公開されたのは茨城県大洗町の研究施設。燃料デブリは、X線分析装置や電子顕微鏡などでデブリの構造や性質を分析し、事故時の炉内状況や臨界の可能性などを調べる。

 東電は福島第一原発2号機から数グラムのデブリを取り出す計画だ。取り出したデブリは高い放射線を遮断するために容器に入った状態で運ばれてくる。作業員はガラス窓から確認しながら、遠隔操作装置を使って容器から出して分析するという。

 原子力機構は年度内にも分析結果をまとめたいとしている。原子力機構福島廃炉安全工学研究所の荻野英樹技術主席は「少量分析とはいえ、炉内の状況を精緻(せいち)化できるデータは取れると考えている。分析を重ねていくことで、廃炉に貢献していきたい」と話した。(玉木祥子)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。