事業戦略説明会に登壇するリコージャパンの笠井徹社長(21日、東京都港区)

リコーは21日、生成AI(人工知能)の基盤になる大規模言語モデル(LLM)を開発したと発表した。日英中の3言語に対応し、今秋に国内の顧客向けに提供を始める。金融業や自治体など高いセキュリティー管理が求められる組織の需要を取り込む。

企業ごとにカスタマイズが簡単にできる700億パラメーターのLLMを開発した。機密情報を多く取り扱い、自社内でデータを保有したい企業などの顧客を想定し、オンプレミス(自社所有)のサーバーでも導入できるようにした。

LLMに導入した企業の独自情報を学習させることで、顧客にあったAIを構築できる。例えば、金融業における融資審査業務、自治体における行政サービス、流通・小売業における顧客情報分析やマーケティング業務の効率化に使うAIの導入に使える。

同日、都内で事業説明会を開いたリコーの国内販売会社リコージャパンの笠井徹社長は「本格的にAIに正しく仕事をさせるのに、セキュア(安全)な環境にしたいという大手顧客に応える」と話した。今後、海外の顧客への提供も目指す。

リコーは1月末に日本語精度の高い130億パラメーターのLLMを開発したと発表していた。新たに提供する700億パラメーターのLLMは、回答の精度などが従来に比べ向上している。

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