原子力規制委員会は21日、東京電力福島第一原発で今年2月と4月に発生したトラブル2件について、原子炉等規制法に基づく実施計画に違反すると判断した。同原発での計画違反は昨年10月以降、これで計4件。規制委は、リスクの洗い出しや作業の管理が不十分として、今後、改善状況を確認する。

 規制委によると、今年2月、廃棄物の焼却設備で火災報知機が作動。焼却前の木材を大量に貯蔵槽にためるなど管理が不適切だったため、木材が発酵して発生した水蒸気に報知機が反応した。設備はいまも使えず、廃棄物の管理計画にも影響が出る見込みという。

 今年4月には、敷地内の掘削作業で誤って電気ケーブルを傷つけた作業員1人がやけどを負い、免震重要棟で停電が発生したという。この影響で、処理水の放出も一時停止した。

 同原発では、昨年10月に作業員2人が汚染廃液をあびて入院。今年2月には建屋から汚染水約1.5トンが漏れ、いずれも規制委が計画違反と判断している。(福地慶太郎)

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