三菱マテリアルが開発した大型の角形シリコン基板㊨。左は300ミリメートル口径のシリコンウエハー=三菱マテリアル提供

三菱マテリアルは21日、世界最大級となる四角形状のシリコン基板を開発したと発表した。人工知能(AI)の普及で複数のチップを1つの基板に集積する「チップレット」技術が広がるなか、AI半導体の基板としての用途を想定する。2025年度には少量生産を始める見込み。

三菱マテリアルは一辺が600ミリメートル角の高純度シリコンの基板を開発した。大型シリコンインゴットの鋳造や多結晶シリコンを磨くなどの独自技術を組み合わせることで、大面積化しても表面は平たんでなめらかにできた。

従来、同種の基板は円形のシリコンウエハーを使う場合やガラスパネルを使う場合が多かった。円形では角形の基板を効率良く取り出すことができず、ガラスパネルは耐熱性などの強度に課題があった。四角形状のシリコン基板はこうした課題に対応できるとしている。

三菱マテリアルは半導体製造の後工程請負会社(OSAT)を納入先に想定している。

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