東京電力は22日、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的採取に向けた準備作業を始める。廃炉の最難関とされるデブリ採取は2011年3月の事故後、初めてで、廃炉は新たな段階に入る。ただ、今回採取するデブリはわずか数グラム。1~3号機で推計880トンとされる全量の取り出しは工法も未定で、廃炉実現への道は見通せないままだ。
東電によると、採取に使う伸縮パイプ式装置が原子炉格納容器内のデブリに到達するまでに1週間程度、回収完了までは2週間程度かかる見込み。国と東電の廃炉工程表「中長期ロードマップ」は、採取開始で事故後30~40年とする工程の最終盤に当たる第3期に入るとしている。
東電の計画では、原子炉格納容器の貫通部から最長22mに伸びるパイプを差し込み、先端に取り付けた爪形の器具で3グラム以下のデブリをつかんで回収する。回収したデブリは茨城県内の分析施設に運ぶ。東電は分析の結果を今後の廃炉作業に役立てたいとしている。
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