北海道と札幌市は27日、GX(脱炭素、グリーントランスフォーメーション)の産業や投資マネーを呼び込むための地方税優遇策を検討懇談会に示した。素案によると、対象は、洋上風力や次世代半導体、水素など9分野のGX事業。法人住民税や固定資産税、都市計画税など7税目を原則10年間全額控除するほか、不動産取得税も全額控除する方針が軸となる。
懇談会では「9分野は状況に応じて更新していくべきだ」「本当のGXにはならない事業が入らないように見極める体制が必要だ」などの意見が出たが、大筋で了承された。近く正式案としてまとめたうえで、それぞれの議会に示す。
6月に政府の金融・資産運用特区に選ばれた道と市は、GXに特化することで他地域との差別化を図る戦略をとっている。優遇の申請は2032年度までで、優遇期間は10年間とする方針。実現すれば、他の自治体で行われている企業誘致目的の地方税優遇策では、全国トップの優遇内容になるという。(日浦統)
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