半導体大手の米クアルコムは28日、国内新興のプリファードロボティクス(東京・千代田)、北海道大発スタートアップのAWL(アウル、同)と協業すると発表した。ロボットやスマートフォンに搭載されるクアルコム製半導体に適したソフト開発環境を提供し、人工知能(AI)のデータ処理を端末側で行う「エッジAI」の拡大につなげる。
端末側でデータを処理するエッジAIは、離れたサーバーにデータを送受信する手法より短時間でデータを処理することができる。モバイル端末向け半導体に強みを持つクアルコムは、産業用途を開拓するためエッジAI分野で国内外の企業との連携を進めている。
プリファードロボティクスはプリファードネットワークス(PFN)子会社で、AIロボットを開発する。プリファードロボティクスの礒部達最高経営責任者(CEO)は「クアルコム製の半導体を使えば、消費電力を抑えられる」と強調した。生成AIの分野でも、PFNが開発する言語モデルを端末側で活用するための協業を近く始める。
アウルは小売店のカメラ映像から、顧客の属性・行動など高度な分析ができるサービスに強みを持つ。クアルコムの半導体を用いると、人の動きが激しい場面でも客の人数を正確に数えられ、より低コストでAIサービスが導入できるという。既存のスマートフォンを店舗カメラとして活用するためのアプリ開発もしやすくなる。
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