NECは5日、3日に東京・有明アリーナで行われた井上尚弥選手のボクシング世界戦の試合映像からハイライトシーンを作成する実証実験をしたと発表した。人工知能(AI)による映像認識技術を駆使し、激しい打ち合いなど勝負の分かれ目となるシーンの映像と画像を抽出し、状況を説明する文章を大規模言語モデル(LLM)で生成した。
NTTドコモが提供する映像配信サービス「Lemino」で3日に配信された試合映像をAIで分析した。抽出した映像や画像、要約文章は今回の実証用に準備したSNSで投稿した。
実用化できれば、試合開始から終了まで映像を常に視聴することが難しい場合でもSNSを通じて臨場感あふれる試合情報を把握しやすくなるとみている。
今回の実証では音声の強弱や選手の動きを分析し、勝敗につながる有効な攻撃シーンなどをハイライトとして抽出した。特定の選手に焦点を当てるなど、視聴者の嗜好に応じたシーンの抽出もできるようにする。
NECが今回活用した映像認識とLLMを組み合わせた技術はドライブレコーダー動画の分析で活用を見込んできた。交通事故の際に動画を分析し、損害保険金請求用の報告書に活用することなどを想定している。実証を通じ、ドライブレコーダー動画の分析以外の用途開拓を狙う。
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