西山朋佳女流三冠のプロ編入試験の第1局は、10日午前10時に東京の将棋会館で始まりました。

第1局の試験官は高橋佑二郎四段で、後手の西山女流三冠は「飛車」を横に移動させる得意の「振り飛車」の戦型を取ります。

終盤、西山女流三冠は、持ち駒の角を大胆に使うなどして果敢に攻め込み、午後5時44分、高橋四段が132手までで投了しました。

この結果、西山女流三冠が第1局を白星で飾り、編入試験合格に向けて一歩前進しました。

西山女流三冠は大阪出身で、2010年に「奨励会」に入り、三段まで昇段しましたが、プロ棋士となる四段には昇段できず、3年前に退会して女流棋士に転向しました。

その後は、女流タイトルを通算16期獲得するトップ女流棋士のひとりとして活躍し、ことし7月の時点で、プロ棋士との対局で好成績を残して編入試験の受験資格を得ました。

プロ棋士への編入試験は、四段の棋士との五番勝負で3勝すれば合格で、これまでに3人がこの制度でプロになっています。

女性では福間香奈女流五冠がおととし、編入試験を受験しましたが、結果は0勝3敗でプロ入りはなりませんでした。

今回の五番勝負で西山女流三冠が3勝して合格すれば、女性初のプロ棋士となります。

次の第2局は10月2日に東京で行われ、山川泰煕四段(26)と対局します。

西山女流三冠「目の前の1局1局を頑張りたい」

編入試験の第1局で勝利した西山朋佳女流三冠は、対局のあと「きょうまでにできることはやるつもりで過ごしてきました。大きく崩れないように指すことを意識していましたが、ずっと気が抜けない難しい将棋だったかなと思います」と振り返りました。

そして、今後の試験について「5人の試験官の方々は、皆さん全然違った『武器』で四段になられたので、また、ここから1局1局準備して、試験当日に全力を尽くせるように過ごすしかないのかなと思います。次に対局する山川泰煕四段は正統派の居飛車党というイメージで、実力者という印象ですが、目の前の1局1局を頑張りたいと思います」と抱負を語っていました。

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