メタが運営するSNSは16年の米大統領選でロシアによる情報工作を許したと批判された

【シリコンバレー=山田遼太郎】米メタは16日、ロシア国営の対外発信メディア「RT(旧ロシア・トゥデイ)」などを自社の運営するSNSアプリから排除すると明らかにした。他国への情報工作にかかわったのが理由としている。

ロシア国営報道機関「ロシア・セゴドニャ」やその傘下のRTなどの関連団体がメタのアプリを使うのを世界で禁止する。メタは画像共有アプリ「インスタグラム」やSNS「フェイスブック」、対話アプリ「ワッツアップ」を持つ。メタは米メディアに対し、禁止の理由は外国への干渉活動であると説明した。

ロシアの情報工作には米政府も警戒を強めている。米司法省は4日、11月の米大統領選を標的にロシア政府の指示で偽情報を流布させたRTの職員を起訴したと発表した。米南部テネシー州の企業に資金提供し、2023年11月頃から大量の動画をインスタグラムや動画投稿サイト「ユーチューブ」で拡散した疑いがある。

米国務省も13日、RTがロシア政府と連携して世界各国で情報工作しているとして、関連する団体や個人を制裁対象にしたと発表した。RTがドイツやアフリカ諸国で秘密裏にニュースサイトを運営してロシアのプロパガンダを流しているという。米国務省はRTについて「事実上、ロシアの情報機関の一部だ」と主張している。

フェイスブックやインスタグラムは16年の米大統領選でロシアによる情報工作の舞台となり、有権者の投票行動に影響を及ぼしたとの批判を受けた。メタは22年にRTなどロシア国営メディアの投稿が拡散しないよう措置をとったが、禁止には至っていなかった。

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