琵琶湖。手前は大津市街地=本社ヘリから

 滋賀県は25日、琵琶湖の最も深い一帯である北湖第一湖盆(高島市今津沖)の水深90メートルの2地点が無酸素状態になっていることを確認したと発表した。無酸素状態が確認されたのは9日で、調査が現形式になった2006年度以降で最も早い。これまでは17年の9月11日が最も早かった。

 底層溶存酸素量(底層DO)の調査で、7地点中2地点が水1リットル当たり0・5ミリグラム未満だった。無酸素状態になると、琵琶湖の深層生物が死んだり、ヒ素などの重金属が溶け出したりして、水質が悪化する懸念がある。今回の調査でも、水中ロボットのカメラ映像や網による採取で、ヨコエビやイサザなどの死んだ個体が確認されている。重金属汚染は確認されていないという。

 県琵琶湖保全再生課によると、暖冬影響で大型植物プランクトンが多く発生したことや、猛暑で湖水の表面温度が高くなったために表層と深層の水循環が起こりにくかったことが要因。同課は「近年は無酸素状態になる年が多く、地球温暖化の影響とみられる。今後も注視が必要」としている。【藤田文亮】

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